中枢性摂食異常症の診断基準

神経性食欲不振症(拒食症あるいは神経性無食欲症)

神経性過食症(神経性大食症)

非定型摂食障害(特定不能の摂食障害)

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神経性食欲不振症(拒食症あるいは神経性無食欲症) AN
  1. 年齢と身長に対する正常体重の最低限、またはそれ以上を維持することの拒否(例:期待される体重の80%以下の体重が続くような体重減少、または成長期間中に期待される体重増加がなく、期待される体重の80%以下になる)。
  2. 体重が不足している場合でも、体重が増えること、または肥満することに対する強い恐怖。
  3. 自分の体の重さまたは体形を感じる感じ方の障害:自己評価に対する体重や体形の過剰な影響、または現在の低体重の重大さの否認。
  4. 初潮後の女性の場合は、無月経、つまり月経周期が連続して少なくとも3回欠如する(エストロゲンなどのホルモン投与後にのみ月経が起きている場合、その女性は無月経とみなされる)。

[病型分類]
@制限型(AN-R) 現在の神経性食欲不振症のエピソード期間中、その人は規則的に無茶食い、または排出行動(つまり、自己誘発性嘔吐、または下剤・利尿剤または浣腸の誤った使用)を行ったことがない
A無茶食い/排出型(AN-BP) 現在の神経性食欲不振症のエピソード期間中、その人は 規則的に無茶食い、または排出行動(つまり、自己誘発性嘔吐、または下剤 ・利尿剤または浣腸の誤った使用)を行ったことがある。

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神経性過食症(神経性大食症) BN
  1. 無茶食いのエピソードの繰り返し。無茶食いのエピソードは以下の2つによって特徴付けられる。
    1. 他とはっきり区別される時間の間に(例:1日の何時でも2時間以内の間)、ほとんどの人が同じような時間に同じような環境で食べる量よりも明らかに多い食物をたべること。
    2. そのエピソードの間は、食べることを制御できないという感覚(例:食べることをやめることができない、または、何を、またはどれほど多く食べているかを制御できないという感じ)。
  2. 体重の増加を防ぐために不適切な代償行動を繰り返す。例えば、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤・浣腸またはその他の薬剤の誤った使用、絶食、または過剰な運動。
  3. 無茶食いおよび不適切な代償行動はともに、平均して、少なくとも3ヶ月間にわたって週2回起こっている。
  4. 自己評価は、体型および体重の影響を過剰に受けている。
  5. 障害は、神経性食欲不振症のエピソード期間中にのみ起こるものではない。

[病型分類]
@排出型(BN-BP) 現在の神経性過食症のエピソード期間中、その人は 定期的に自己誘発性嘔吐をする、または下剤・利尿剤または浣腸の誤った使用をする。。
A非排出型(BN-NP) 現在の神経性過食症のエピソード期間中、その人は 絶食または過剰な運動などの他の不適切な代償行為を行ったことがあるが、定期的に自己誘発性嘔吐、または下剤・利尿剤または浣腸の誤った使用はしたことがない。

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非定型摂食障害(特定不能の摂食障害) NOS
非定型摂食障害のカテゴリーは、どの摂食障害の基準も満たさない摂食の障害のためのものである。
  1. 女性の場合、定期的に月経があること以外は、神経性食欲不振症の基準をすべて満たしている。
  2. 著しい体重減少にもかかわらず現在の体重が正常範囲内にあること以外は、神経性食欲不振症の基準をすべて満たしている。
  3. 無茶食いと不適切な代償行為の頻度は週2回未満である、またはその持続期間が3ヶ月未満であるということ以外は、神経性過食症の基準をすべて満たしている。
  4. 正常体重の人が、少量の食事をとった後に不適切な代償行動を定期的に用いる。(例:クッキーを2枚食べた後の自己誘発性嘔吐)
  5. 大量の食事を噛んで吐き出すということを繰り返すが、呑み込むことはしない。
  6. 無茶食い障害:無茶食いのエピソードを繰り返すが、神経性過食症に特徴的な不適切な代償行動の定期的な使用はない。

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